乳歯は抜けたのに
永久歯が生えてこない…
通常、乳歯が抜けるとその下には永久歯が覗いている、もしくは3カ月以内に生えてきます。
ただ、ときどきなかなか永久歯が生えてこないということがあります。単に遅れておりそのうち生えてくるケース、そもそも永久歯が存在しないケース、永久歯は存在するが何らかの原因によって生えてこれないケースなどがあります。
永久歯が生えてこない原因
歯茎が硬く分厚い
生まれつき歯茎が硬く分厚いと、永久歯がなかなか生えてこれないことがあります。それでも、基本的には1~2年以内には自然に生えてきます。
歯が生えるスペースがない
永久歯は、乳歯よりサイズが大きくなります。顎の発育成長が不十分だと永久歯が生えるスペースが不足し、なかなか生えてこないということがあります。
特に現代のお子さんは、歯が生えるスペースが不足する傾向にあり、これが歯並びの乱れに繋がっているケースも少なくありません。
歯が埋まって出てこれない
何らかの原因で永久歯が歯茎に完全に埋まっており(埋伏歯)、乳歯が抜けたのに生えてこられないケースです。
そのままにしておくと、自然に生えず埋まったままになることも多くあります。
歯が生まれつき存在しない
永久歯が生まれつき存在しないことを先天性欠如と言います。存在しないので、当然生えてきません。
乳歯が抜けずに永久歯の代行をすることもありますが、本来の永久歯よりは長持ちしません。
歯が生えるのを
邪魔するものがある
余分な歯(過剰歯)や腫瘍が障害となって、永久歯が萌出しないケースです。
原因を取り除く必要があります。
永久歯が生えてこない時はどのくらい様子をみたらいいの?
乳歯が抜けてから、半年が過ぎても永久歯が生えてこない(頭さえ見えない)という場合には、お早めにご相談ください。
もちろん、それより以前にご相談くださっても結構です。レントゲンやCTで、現在の永久歯の状態を調べます。
当院で行う治療
歯茎が硬く分厚い場合
1~2年で自然に生えてきますが、場合によっては歯茎を小さく切開し、永久歯が萌出しやすい環境を作ることがあります。
歯が生えてくるスペースがない場合
スペースを確保するため、矯正治療を検討します。基本的には、歯を直接動かす治療ではなく、顎の成長を促進する治療を行います。
埋伏歯の場合
萌出の気配がない場合には、埋伏歯を引っ張り出す治療を検討します。
先天性欠如の場合
この場合は、基本的に乳歯をできるだけ長く使用することで対処します。ただ、乳歯はどれだけ丁寧にケアしても生涯使用し続けることは困難です。ほとんどのケースにおいて、大人になると、乳歯は抜けてしまいます。
その際には、入れ歯、ブリッジ、インプラント矯正治療などの治療によって、審美性・機能性を回復させること必要になります。
※6本以上の先天性欠如がある場合には、インプラント治療に保険が適用されます。
歯が生えるのを邪魔するものが
ある場合
原因を探り、原因を除去します。必要に応じて高度医療機関をご紹介します。
お子様の歯で気になることが
あれば当院にご相談ください
大人であれば経験している「生え変わり」ですが、いざご自身のお子さんがその時期を迎えると、自分の生え変わりがどんなものであったか、覚えていないものです。また、いつごろ乳歯が抜けるのか、どのような順番で生え変わっていくのか、分からないことも多いかと思います。
乳歯が抜ける・永久歯が生えるタイミングには個人差がありますが、生え変わり、歯並びで気になることがある場合には、お気軽に当院にご相談ください。
たとえ治療が必要なかったとしても、現状を把握したり、今後の見通しをつけることで、親御さんにも安心していただけることと思います。